パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.12 ベーコンエピその4(くじら亭のミニチュアものづくり)

今回は、ベーコンエピには欠かせない、ベーコンの作り方をご紹介します。
作例としては、ちょっと高級なベーコンをイメージしています。

ベーコンエピに挟むベーコンは、当記事の最後に記述していますが、
もう少し簡単な作り方をしています。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

ベーコンの色は、クリムゾンに白を混ぜて作りました。

ベーコンの色ですが、赤みの部分はクリムゾンに白を混ぜて作りました。

写真の様な比率で(アバウト..)粘土を混ぜたのですが、
混ぜ合わしたら少し赤みが強かったので、白を少々追加しています。

写真はないのですが、脂身の部分は、白にほんのちょっとだけクリムゾンを入れています。
真っ白よりも、赤み部分とのなじみが良くなるように思います。

赤身と脂身を重ね合わせていきます。

赤身の粘土と脂身の粘土を重ねていきます。

下の写真ではわかりにくいのですが、
赤身の部分は0.5mm厚ぐらいに伸ばして、間に0.1mm厚ぐらいに伸ばした脂身を挟んだりして、
いくつか層を作り、最後に切った時に単調にならないようにしています。

赤身の部分にところどころ脂身が混ざって見える様にしようとしています。

ベーコンの赤身って、均等に赤身ではなく、ところどころ脂身が混ざっていますよね。
本物をじーっと見ていただければわかると思います。

薄く脂身の層が入っているのは、一つ上の写真の様に、薄い脂身の層を赤身の層の間にはさんで再現しています。

点々と脂身が入っているところは、
下の写真の様に、赤身と脂身を一旦薄切りにして、
混ぜ合わせて延ばしたりしてみました。

結果としては、そんなに効果はなかったのですが...

最終的にはこんな感じのブロック肉になります。

最終的にはこんな感じで、幅2cm強、高さ5mm程度のブロック肉が出来上がりました。

これの表面の部分に軽く焼き目を入れてから2~3日乾燥させて、薄く切ります。
乾燥させすぎると切るのが大変になりますので、少しだけ弾力が残っているうちに切ります。

切るときは、写真の様なガイドを使うと切りやすくなります。

切るときは、写真の様なガイドを使うと切りやすくなります。

ガイドに沿って、キコキコとカッターで切って、
切れたらカッターを少し傾けてガイドを動かして、
またカッターでキコキコと切ります。

うまくやると、0.5mmの厚みで切ることができます。

ガイドは裏返すとこんな感じです。

ガイドは裏返すとこんな感じです。

両端は、タミヤ社の5mmプラ角棒で、それに1mm厚のプラ版に接着しています。

ベーコンの出来上がりです。

下の写真が、出来上がったベーコンです。

切った後、表面を軽くスポンジやすりで整えて、
焼き色を少し付けてからニスを塗っています。

赤身の部分が、いくつかの層になっていて、間に薄い脂身が入っていたり、
脂身の部分にも、薄く赤身の層が入っていたりするのがわかると思います。

ちょっと高級なベーコンという感じで盛り付けてみました。

ちょっと高級なベーコンという感じで盛り付けてみました。

お皿は、ラドール(石粉粘土)で作っています。
写真ではわかりにくいのですが、全体をまず茶色で塗って、
薄めたダークグレー(黒にほんのちょっとだけ白を入れました)を何回か重ね塗りしています。

青かいしき(お料理の下に敷く葉のこと)は「ひば」風にしてみました。
ちなみに、「かいしき」とは、お料理の下に敷く葉や紙のことなんですね。私も今回調べてこの言葉を初めて知りました。
ちょっと手を抜いて、水槽用の人工水草(GEX社の「アンブリアS」)に着色をして使っています。
意外と良い感じです。これは使えるな!という印象ですね。

ベーコンは、そのまま置くと板みたいになってしまい柔らかさを感じなくなるので、
盛り付ける前に裏側を水につけて柔らかくして、皿や青かいしきの凹凸に合わせて、少し波打たせています。
ベーコンの柔らかさを感じてもらえればうれしいです。

ベーコンエピに使ったベーコンはもうちょっと簡単に作っています。

ベーコンエピに使ったベーコンはほとんど見えなくなるので、もうちょっと簡単に作っています。

違いとしては、
1)単純に1mm厚ぐらいに延ばした赤身と脂身を重ね合わせてブロック肉を作っています。
2)乾燥させずに、すぐに0.5mm厚ぐらいにカットしています。
  カットの際に多少厚みが違っても気にしません。
3)カットしたら、下の写真の様に0.3mm厚ぐらいに延ばしています。

延ばし終わったのが下の写真です。
できたベーコンから、よさそうなところをカットしてきてベーコンエピを作っています。

これで、ベーコンエピシリーズは終了です。

今年一年お付き合いいただきましてありがとうございました。
来年も、パンシリーズで始まる予定です。よろしくお願いいたします。

【お知らせ】ベーコンエピのブルーミックスソフト型の販売をいたします。

ベーコンエピのブルーミックスソフト型の販売をいたします。

今回の記事で作ったブルーミックスソフト型と同じ原型・同じ製法で作っています。
制作の参考のために、記事の中で作ったベーコンエピもお付けします。

ベーコンエピ好きの方、チャレンジしてみてください。

なお、制作能力の都合上、2セット限定とさせていただいています。

-------------------------------------------------------------------

前後の記事